2017年10月22日
東北福祉大職員が女性に無理やり性的行為をしたとされる強制性交事件で、宮城県警が今週中にも、強制わいせつ容疑で同大の元職員の容疑者(38)=仙台市若林区六丁の目東町、19日付で懲戒解雇=を再逮捕する方針を固めたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、容疑者は昨年冬ごろの深夜、若林区内の路上で10代女性に背後から近づき、手で口をふさぎながら刃物を喉に突き付けて脅し、性的行為を強いた疑いが持たれている。被害者に向かって本名と異なる名前を叫び、被害者が立ち止まった隙に背後からつかみかかったという。
県警によると、若林、宮城野両区内で7~8年前から同様の事件が相次ぎ、これまで約20件の被害届や相談が寄せられている。容疑者は「他にも数件やった」と供述しており、裏付け捜査を進めている。
容疑者は3日、若林区の飲食店従業員の20代女性に同様の手口で性的行為に及んだ強制性交容疑で逮捕された。強姦(ごうかん)罪から強制性交罪に名称が変わった改正刑法が7月に施行されて以来、同容疑が適用された県内初のケースとなった。
東北福祉大職員が女性に無理やり性的行為をしたとされる事件で、県警は20日、強制わいせつ致傷の疑いで、仙台市若林区六丁の目東町、元職員で無職の容疑者(38)=懲戒解雇、公判中=を再逮捕した。逮捕は7回目。「私がやったことだと思う」と容疑を認めている。逮捕容疑は2011年6月12日午前3時15分ごろ、若林区木ノ下2丁目の路上で、帰宅中の20代女性に背後から近づき、左手で口をふさいで右手に持ったカッターナイフのような刃物を顔に突き付けて脅し、もみ合った際に女性の左手に切り傷を負わせた疑い。
帰宅途中の女性8人を脅して性的行為を強いたとして、強制わいせつ致傷罪などに問われた仙台市若林区六丁の目東町、元東北福祉大職員の被告(39)=懲戒解雇=の裁判員裁判判決で、仙台地裁は7日、懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。
江口和伸裁判長は「被害女性らは強い恐怖と嫌悪、屈辱を感じ、尊厳を害され、日常生活に影響が生じるほどの大きな精神的苦痛を受けた」と強調。未成年者に対しても犯行をためらわず、常習性も顕著だと指摘し「身勝手極まりない犯行態様は非常に悪質。父親が被害弁償を済ませたことなどを考慮しても、刑事責任は相当重い」と述べた。
記者会見した女性裁判員は法廷での被告の様子に関し「時折、にやけながら供述する姿を見て事件に向き合っていないと感じた」と言及。男性裁判員は「被害者の苦痛をしっかり受け止め、罪を償った後に社会再起してほしい」と話した。
判決によると、被告は2011年6月~17年8月、若林、宮城野両区の路上などで10~30代の女性8人に背後から近づき、手で口をふさいで刃物を突き付けるなどして脅し、性的行為を強要した。