路上で女性を襲いけがをさせたとして、木更津署は15日、傷害の疑いで木更津市高柳、無職の男(20)を逮捕した。
逮捕容疑は4月15日午前1時10分ごろ、同市若葉町の路上で、自転車のアルバイト従業員の女性(19)に対し、スタンガンのようなものを放電して転倒させるなどし、顔や首に軽傷を負わせた疑い。
同署によると、容疑者は「むしゃくしゃして憂さ晴らしでやった」などと供述。後ろから近づいてスタンガンを使ったとみられ、女性に大声を出されて逃走した。
スタンガンの購入者の捜査などから同容疑者が浮上。4月下旬にも女性が襲われけがをする同様の事件が発生しており、同署が関連を調べている。
木更津市内で4月、女性が相次いでスタンガンで襲われるなどした事件で、千葉地検は5日、路上で女性を襲いわいせつな行為をした上現金を盗んだなどとして、強制わいせつと強盗致傷、傷害、窃盗の罪で同市高柳、無職の男(21)を起訴した。起訴された5事件での被害者は女性4人となった。地検は認否を明らかにしていないが、千葉県警のこれまでの調べに被告は「間違いない」と容疑を認めていた。
起訴状などによると、昨年12月2日午前1時10分ごろ、同市岩根3のJR巌根駅西口ロータリーで、会社員女性=当時(19)、千葉県内=の腕をつかんで転倒させてわいせつな行為をし、現金約1万6千円の入った財布(時価約千円相当)を窃取。同月30日午前1時ごろ、同市内で女性=同(39)=に徒歩で後ろから近づき、背後から抱きつきハンドバッグを引っ張る暴行を加えて現金約9千円などの入ったハンドバッグ(時価計約1万3千円相当)を奪って転倒させ、左ひざに全治約2週間のけがを負わせた。
さらに今年4月15日午前1時10分ごろ、同市内の路上で自転車の女性=同(19)=の後頸部(けいぶ)にスタンガンを押し当て転倒させるなどして加療約1週間のけがを負わせたほか、同月21日午後11時45分ごろ、金品を奪う目的で、同市内の路上で女性=同(25)=にスタンガンを押し当てて転ばせ、まぶたにスタンガンを押し当てて放電、ショルダーバッグを引っ張るなどの暴行を加え、まぶたや右ひざに加療約2週間のけがをさせたなどとしている。
木更津市で2016年12月~17年4月、夜間に路上を歩いていた女性4人をスタンガンで襲うなどしたとして、強制わいせつと強盗致傷などの罪に問われた同市高柳、無職、被告(21)の裁判員裁判の判決公判が13日、千葉地裁で開かれ、金子武志裁判長は「執ようで危険な暴行」などとして、懲役6年6月、スタンガン没収(求刑懲役10年、スタンガン没収)を言い渡した。
公判で弁護側は、女性=当時(25)=を襲ってけがを負わせて、ショルダーバッグを奪おうとした17年4月の事件について「攻撃を加えた時点では金品を奪う目的はなかった」などとして、強盗致傷罪は成立しないと主張していた。
判決で金子裁判長は「攻撃の途中で急にバッグを奪う意思が生じたのは不自然」などと同罪の成立を認定。「事件の重大性を理解して、真摯に反省しているとは認め難い」などと非難した。
判決によると、2016年12月~17年4月の夜に同市内の路上で、女性4人にわいせつな行為をしたり、スタンガンを放電するなどの暴行を加えてけがをさせたり、現金を盗むなどした。