2016年2月27日
27日午後8時50分ごろ、福岡市西区姪の浜で近隣住民から「路上で男が女性を襲っている」と110番があった。熊本県立高校出身で予備校生の北川ひかるさん(19)=福岡市西区=が血まみれで倒れているのを捜査員が発見し、搬送先の病院で死亡が確認された。
同じ予備校に通う少年(19)=福岡市中央区=が近くの交番で「知人女性を刺した」と話した。少年は両手にけがを負って入院し、県警は少年の回復を待って事情を聴き、殺人容疑が固まり次第、逮捕する方針。
県警によると、北川さんの首や顔に複数の傷があり、現場近くにナイフ2本と小型のおの1本が落ちていた。少年は北川さんと同じ高校の出身との情報もある。
北川さんは熊本県立の進学校出身で、昨年4月から福岡市の予備校に通っていた。難関といわれる国立大学を志望し、一般入試の前期日程を終えたばかり。アパートで一緒に暮らしていた兄(23)は、報道陣に「気持ちの整理がついていない」と話すのが精いっぱいだった。
福岡市西区で予備校生の北川ひかるさん(19)が刺殺された事件で、同じ予備校に通う少年(19)が出頭時、「北川さんに告白したが、あいまいにされた」などと説明したことが捜査関係者への取材でわかった。福岡県警は、事件の背景に少年の一方的な恋愛感情があったとみて、4日、少年から任意で事情聴取を始めた。事件は5日で発生から1週間を迎える。
少年は両手に重傷を負い、病院に入院している。捜査関係者によると、病床では「明るくて眠れない」と、目元にタオルをかけて過ごすこともあるという。
少年は事件が発覚した直後の2月27日夜、近くの交番に出頭。その際に「事件前、北川さんに思いを伝えたが言葉を濁された」「ばかにされたと思った」などと説明したという。2人が交際していた形跡はなく、県警は、北川さんに好意を寄せた少年が思い通りにいかず、一方的に恨みを募らせた可能性が高いとみて、少年の回復を待って殺人容疑で逮捕する方針。
福岡市西区で2月、予備校生の北川ひかるさん=当時(19)=が刺殺された事件で、福岡地検は9日、殺人容疑で逮捕された元少年(20)の鑑定留置を延長するように福岡簡裁に請求し、同日付で認められたと明らかにした。期限は7月25日まで。地検は「精神鑑定に時間がかかるため」としている。
元少年は2月27日夜、北川さんの自宅近くの路上で、北川さんの首や顔を刃物で刺して殺害した疑いで、3月に逮捕された。
福岡市西区で昨年2月、同じ予備校に通っていた北川ひかるさん(当時19)を殺害したとして、殺人罪などに問われた元少年(21)の裁判員裁判で、福岡地裁(平塚浩司裁判長)は31日、懲役20年(求刑懲役22年)の判決を言い渡した。
元少年側は起訴内容を認めた上で「事件当時、統合失調症を発症していた」として刑事責任能力の有無や程度を争っていた。
一方、検察側は精神鑑定の結果を踏まえ「完全責任能力があった」と主張。「北川さんに交際を断られ、一方的に恨みを抱いて殺害した」と指摘していた。
起訴状によると、元少年は19歳だった昨年2月27日夜、北川さん宅近くの路上で、首や顔をナイフで多数回突き刺し、おので頭を殴って殺害したとしている。