2017年8月10日
4年前、三重県四日市市で女性に乱暴したなどとして男が逮捕された事件で、男が関与をほのめかしている他の強姦事件と侵入の手口が共通していることが新たに分かった。
強姦などの疑いで逮捕された本田技研工業の社員の男(44)は4年前、四日市市で女性のアパートに侵入し、刃物をつきつけ乱暴した疑いがもたれ、12日、送検された。
調べに対し、容疑者は容疑を認めている。捜査関係者によると、女性の部屋の鍵にはこじあけられたような跡がなく、容疑者が関与をほのめかしている、十数件の強姦事件と侵入の手口が共通していることが分かった。
警察は、容疑者の関与について慎重に調べを進めている。
鈴鹿署と三重県警捜査一課、四日市南署は10日、住居侵入と強姦の疑いで、鈴鹿市西庄内町、ホンダ鈴鹿製作所従業員の男(44)を再逮捕した。
逮捕容疑は平成25年9月3日午前3時ごろ、四日市市内のアパートに玄関から侵入し、部屋にいた当時20代の会社員女性に対して刃物を突きつけ、「騒いだら殺すぞ」などと脅して乱暴した疑い。
鈴鹿署によると、容疑者は別件住居侵入と窃盗容疑で8月3日に同署に逮捕されており、取り調べの中で発覚した。「間違いない」と容疑を認めている。平成22年以降、四日市南署と鈴鹿署管内で同様の被害が十数件発生しているといい、余罪との関連を調べている。
従業員の再逮捕を受けて同社担当者は「お騒がせして大変申し訳ない。事実確認をして適切に対応したい」とコメントした。
三重県鈴鹿市などで女性宅に侵入するなどして性的暴行を繰り返したとして、強姦(ごうかん)致傷などの罪に問われた元ホンダ社員の男(46)の裁判員裁判が13日、津地裁であった。田中伸一裁判長は求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
判決によると、被告は2010年1月~17年6月、鈴鹿市や同県四日市市で深夜に住宅に侵入するなどし、当時17~42歳の女性に刃物を突きつけて「騒いだら殺す」などと脅し、性的な暴行をした。罪に問われた強姦事件は致傷3件、未遂2件を含め、計15件にのぼった。
判決は「強姦事件数が類を見ず突出しているうえ、犯行も特に悪質」と指摘。「これまでの裁判員裁判で最も重い部類の刑となった事案に比べても、一段と重い位置づけをするほかない」とし、有期刑を求めた弁護側の主張を退けた。
検察側によると、これまでの裁判員裁判で強姦致傷事件で最も重い刑は、有期刑の上限である懲役30年だった。