2015年11月15日
東京都江戸川区のアパート一室の浴室で14日、女子高生の遺体が見つかった事件で、警視庁小岩署に強盗殺人容疑で逮捕されたこのアパートに住むアルバイトの男(29)が、「生活が苦しくて自暴自棄になっていた。殺したのは興味半分」と供述、容疑を認めていることが15日、同署への取材で分かった。
容疑者は「前の勤務先を辞めて全てがいやになり、私の全てを終わらせようという意味でやった」とも供述。遺体は同区本一色の高校3年、岩瀬加奈さん(17)で、同署は司法解剖して死因を調べる。
逮捕容疑は、12日午後2時ごろ、自室で知人の岩瀬さんの首を絞めて殺害し、バッグなどを奪ったとしている。
同署によると、容疑者は10月まで岩瀬さんと同じコンビニ店で勤務していた。12日午後1時過ぎ、共通の趣味のアニメを持ち出して岩瀬さんをお茶に誘い、一緒に帰宅した直後に後ろから羽交い締めにし、岩瀬さんのブレザーで首を絞めて殺害したと供述しているという。
岩瀬さんの家族から捜索願の提出を受け、同署が最後に接触を確認した容疑者の行方を追っていた。
14日午後8時ごろ、東京都江戸川区北小岩6のアパート一室の浴室で、同区在住の高校3年、岩瀬加奈さん(17)が死亡しているのを警視庁小岩署員が見つけた。同署は岩瀬さんの知人で、この部屋に住むアルバイトの男(29)を強盗殺人の疑いで逮捕した。
捜査関係者によると、容疑者は同日午後5時半ごろ「2日ぐらい前に人を殺した」と110番した。連絡を受けた小岩署員が容疑者の自宅アパートを訪れて遺体を発見した。容疑者は「首を絞めた」などと話しているという。
遺体は水の張っていない浴槽に横たわっていた。死後数日たっているとみられる。
岩瀬さんは今月12日から行方不明となり、家族が捜索願を出していた。
東京都江戸川区のアパートで同区の高校3年、岩瀬加奈さん(17)が殺害された事件で、強盗殺人容疑で逮捕された住人のアルバイトの男(29)が「岩瀬さんに逃げられないように、先に部屋に入れた」と供述していることが16日、警視庁小岩署への取材で分かった。同署は計画的な犯行だったとみて、詳しい経緯を調べている。
同署などによると、容疑者は12日午後1時ごろ、岩瀬さんとJR小岩駅前で落ち合い、タクシーでアパートの最寄りの京成小岩駅まで移動。同2時ごろに部屋に入った直後、岩瀬さんのブレザーで首を絞めるなどして殺害し、現金約7千円や、携帯電話などを奪ったとみられる。携帯電話は「着信音が鳴るので、自宅近くに捨てた」などと供述しているという。
容疑者は事件前日、岩瀬さんに「化粧品のサンプルをあげる」と言ってアパートに誘っていたが、現場検証で同様のものは見つかっていない。「岩瀬さんなら自宅に来てくれると思った」などとも供述しているといい、同署は動機などをさらに調べる。同署は16日、強盗殺人容疑で容疑者を送検した。
平成27年11月、東京都江戸川区の自宅アパートに同区の高校3年、岩瀬加奈さん=当時(17)=を連れ込み、首を絞めて殺害し現金を奪ったなどとして、強盗殺人と強盗強姦未遂の罪に問われた無職の男(31)の裁判員裁判の初公判が16日、東京地裁(島田一裁判長)で開かれた。同日午後には弁護側の被告人質問が行われ、被告は「連続殺人をして、死刑になろうと思っていた」などと述べた。
弁護側の被告人質問に対し、被告は「人生で友人は1人しかいなかった。彼はアニメやゲームに相当傾斜していたので気が合った」などと話した。また、中学生時代には同級生から無視される“いじめ”を受けたとした。両親が別居して母親と同居したが、母親からは愛されず、高校卒業後に専門学校に入学後に独り暮らしを始めたという。
「バイトでは生活費などが足りず、消費者金融から100万円以上の借金があった。高血圧や、それによる心筋梗塞(こうそく)などの病気もあった。自暴自棄になり、自殺か連続殺人をして死刑になろうと考えた」と事件までの経緯を語った。
岩瀬さんを狙った経緯については、「たまたまバイト先の同僚の中で一番話しやすかったためで、恋愛感情などはなかった。次の事件までの生活費として金品を盗んだ。しかし、事件を起こして“すっきり”したので、(自殺も別事件も起こさず)自首した」などと述べた。
検察側の被告人質問は17日に行われる。
検察側の冒頭陳述などによると、被告は女性が首を絞められ、乱暴される様子に興奮する性癖があった。生活に困窮するなどして自暴自棄になり、27年11月12日、アルバイト先の同僚だった岩瀬さんに「化粧品サンプルをもらってほしい」と嘘をついて自宅に連れ込み、首を絞めて殺害。乱暴を試みたが失敗した。さらに岩瀬さんの財布から現金7500円を奪ったとされる。被告は捜査の手が迫っているのを察し、殺害から2日後の14日、自首した。
東京都江戸川区の自宅アパートで高校3年だった岩瀬加奈さん=当時(17)=を殺害し現金を奪ったなどとして、強盗殺人と強盗強姦(ごうかん)未遂の罪に問われた無職の男(31)について、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は、被告の上告を棄却する決定をした。無期懲役とした1、2審判決が確定する。27日付。3裁判官全員一致の結論。
平成29年5月の1審東京地裁判決は「犯行動機は身勝手極まりなく、有期懲役が相当な事案とはいえない」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。2審東京高裁も12月、「犯行に計画性を認めた1審の判断に誤りはなく、無期懲役が重すぎるとはいえない」として被告の控訴を棄却した。
判決によると、被告は27年11月12日、アルバイト先の元同僚の岩瀬さんを自宅に連れ込んで首を絞めて殺害し、乱暴しようとした上、現金約7500円などを奪った。