2007年7月26日
埼玉県川口市のアパートで7月、20代の女性が襲われた事件で、県警川口署捜査本部は4日、強盗強姦(ごうかん)などの容疑で、同市源左衛門新田、配管工の容疑者(39)を逮捕した。調べに対し、容疑を否認しているという。
このアパートでは10月30日夜、会社員渡辺沙織さん(26)が同様の手口で襲われた後に殺害され、キャッシュカードを奪われた事件があった。
被害者を衣類で後ろ手に縛るなど手口が似ており、捜査本部が公開した防犯カメラの男の映像と同容疑者が似ていることなどから、渡辺さん殺害にも関与している可能性も視野に入れて調べるとみられる。
調べでは、同容疑者は7月26日深夜から翌27日未明にかけて、川口市の女性方で、キャッシュカードなどを奪い、女性を乱暴。
女性のキャッシュカードを使用し、現金約100万円を近くの現金自動出入機(ATM)から引き出した疑い。
被害に遭った女性の部屋から採取されたDNAと、同容疑者の唾液(だえき)のDNAが一致したことなどから、逮捕したという。
調べに対し、同容疑者は「女性に声をかけられて関係を持った」「女性に頼まれてATMで金を引き出し、女性に金を渡した」などと話しているという。
県警が防犯カメラの映像をもとに12月2日、アパートに近い、さいたま市の駅周辺で、同容疑者に職務質問したところ、うその住所を回答。住所を割り出し、4日、捜査本部が同容疑者に任意同行を求めて、取り調べていた。
渡辺さんの事件では、無断欠勤を心配した同僚が11月1日、アパートを訪ね、後ろ手に縛られた状態で殺害されていた渡辺さんを見つけた。
埼玉県川口市のアパートで会社員、渡辺沙織さん=当時(26)=が殺害された事件で、同じアパートの別の女性に対する強盗強姦(ごうかん)などの疑いで逮捕された自称配管工の容疑者(39)が、川口署捜査本部の調べに、逮捕容疑となった7月の犯行を認め、「ベランダから入った」と供述していることが7日、分かった。
渡辺さんが殺害された事件でもベランダに不審な足跡が残されており、室内の残留物と容疑者のDNA型がほぼ一致したことから、捜査本部はどちらの事件も容疑者がベランダから侵入した可能性が強いとみて関連を追及する。
容疑者は、アパート2階に住む20代の女性のキャッシュカードを奪い乱暴し、現金約100万円を引き出したとして4日夜、逮捕された。当初は「女性に頼まれて現金を引き出した。部屋に入っていない」などと容疑を否認していた。
その後の捜査本部の調べに、容疑者は犯行を大筋で認め、「無施錠のベランダから入った」と供述したという。
容疑者は10月30日夜、同じアパート2階に住む渡辺さんのキャッシュカードを使用したことを認め、「渡辺さんに頼まれてカードを使った」などと供述している。
捜査本部は、容疑者が7月の事件で、アパート2階の無施錠のベランダから侵入する手口で犯行に成功したことから、同じ手口で渡辺さん方に侵入した可能性もあるとみて関連を調べている。
埼玉県川口市のアパートで昨年10月、会社員の渡辺沙織さん(当時26歳)を絞殺して現金を奪ったなどとして、強盗殺人などの罪に住所不定、配管工の被告に対し、さいたま地裁は12日、求刑通り無期懲役を言い渡した。
判決によると、被告は昨年10月30日夜、川口市柳崎5のアパート2階に住む渡辺さん方にベランダから侵入。
帰宅した渡辺さんに刃物を突き付けて脅し、両手足を縛ったうえ、両手で首を絞めて殺害。
現金8000円などを奪った。
このほか、05年2月~07年7月に川口市内で、強盗未遂事件1件、窃盗事件1件の計4件を起こした。
弁護側は渡辺さんの事件について「騒ぐのをやめてほしくて首を絞めた。殺意はなかった」と主張したが、中谷裁判長は首の圧迫痕などから「死亡するという結果を認識していたのは明らか」と退けた。