女性宅に侵入し金を奪ったうえ、暴行したとして、警視庁捜査1課は30日までに東京都八王子市暁町、自称団体職員の男(35)を強盗強姦などの容疑で逮捕した。同課によると、容疑者は「記憶にない」と容疑を否認しているという。八王子市や日野市では昨年7月からの1年間に同様の手口で女性が暴行される事件が十数件起きており、同課が関連を調べている。
逮捕容疑は昨年10月上旬、20代の女性が深夜に八王子市内の自宅マンションに帰宅した際、女性の部屋に侵入して刃物を突きつけ、現金1千円などを奪って暴行した疑い。
同課によると、現場に残されたDNA型が容疑者のものと一致したという。
2008~10年に女性6人に暴行などをしたとして、強盗強姦(ごうかん)罪などに問われた
米軍横田基地の元職員の男(41)の裁判員裁判の判決で、東京地裁立川支部(矢数昌雄裁判長)は22日、求刑通り無期懲役を言い渡した。
争点や証拠を絞る公判前整理手続きが長期化し、起訴から5年4カ月を要した。
09年の制度スタート以降、起訴から判決まで最も時間がかかった裁判員裁判とみられる。【賀川智子】
被告は08年9月、東京都八王子市の女性宅に侵入し、暴行の様子をデジタルカメラで撮影。
8カ月後に再び侵入し「写真をばらまくぞ」と脅して暴行したなどとして、強盗強姦や強姦など計10件の罪に問われた。
判決は弁護側の無罪主張を退けて全事件を有罪とし「犯行態様は執拗(しつよう)かつ卑劣で、極めて悪質。酌量の余地は全くない」と述べた。
被告は10年9月に起訴された。公判前整理手続きで弁護側は▽証拠が違法に収集された
被告は日米地位協定の定める米軍の軍属にあたり日本の裁判の対象ではないなどと主張、検察側の全証拠を不同意とした。
検察側は延べ約110人の証人を申請し、尋問の調整に時間がかかった。途中で検察官や弁護人が交代し、手続きは4年8カ月に及んだ。
初公判は15年6月。長期審理の負担を軽減する「区分審理」が適用され、5事件ずつに分けて裁判員が選ばれた。
7月に5事件を有罪とする部分判決が言い渡され、22日の判決は別の裁判員が量刑も含めて判断した。
最高裁によると、昨年11月時点で、判決まで最も長かった裁判員裁判は、さいたま地裁の事件の4年2カ月だった。
強盗強姦(ごうかん)など10件の罪に問われた元米軍横田基地職員の男(44)の上告審で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は15日付で被告側の上告を棄却する決定を出した。
無期懲役とした1、2審判決が確定する。