2003年11月8日
配電盤工事を装って1人暮らしの女性宅に侵入し、現金を奪ったなどとして警視庁捜査1課は8日、東京都葛飾区水元4、無職の男(36)と埼玉県三郷市戸ケ崎、同、無職の男(26)の両容疑者を住居侵入と強盗傷害、強制わいせつ容疑で逮捕した。両容疑者は容疑を認めたうえで「ほかにもやった」と供述している。同じ手口の事件が8月から江戸川区や港区など都内で4件、関東近県でも4件起きており、関連を調べている。
調べでは、両容疑者は4日午後1時40分ごろ、武蔵野市内のアパート1階の女性会社員(26)宅で、「配電盤の工事です」などと言ってドアを開けさせ、室内に侵入。女性の手足を電気コードで縛り、体を触るなどしたうえで、女性から奪ったキャッシュカードなどを使い現金約70万円を引き出した疑い。女性は顔などに1週間のけがをした。
両容疑者は10月まで、布団の訪問販売などをする会社で働いていた。会社の車で現場まで行き、作業着に着替えて空調の修理や電気の点検を装い、強盗を繰り返していたらしい。
電気の点検を装って女性方に侵入し、暴行を加えたなどとして、県警捜査一課と西入間署などの合同捜査班は十三日、住居侵入、強盗強姦、窃盗の疑いで、両容疑者=いずれも強盗、強姦罪などで起訴=を再逮捕した。二人は同様の手口で、県内二件を含む一都三県で計十件の犯行を自供しているという。
調べによると、二人は共謀して昨年九月二十四日午後三時二十分ごろ、入間郡内の女性(26)方に侵入。腹部を殴って包丁を突き付け、「静かにしろ、殺すぞ」と脅し、現金約十二万五千円と手提げバッグなど二十三点(約四十三万八千円相当)を奪った上、女性に暴行を加えた。さらに奪ったキャッシュカード二枚を使って、郵便局などで現金九十二万円を引き出して盗んだ疑い。
マンションなどの呼び鈴を鳴らして、「ブレーカーの点検です」とドアを開けさせ、点検を装いながら女性が一人かを確認して犯行に及んでいた。
東京都葛飾区水元4、無職の男は約二千七百万円、埼玉県三郷市戸ケ崎、同、無職の男は約二百万円の借金があり、奪った現金は借金返済や生活費に充てていた。
二人は東京都足立区内の布団の訪問販売会社の元同僚で、昨年秋ごろから都内で五件、県内で二件、千葉県内で二件、栃木県内で一件の犯行を繰り返していたという。県警と警視庁が連続事件として捜査し、警視庁が昨年十一月に二人を逮捕していた。
首都圏の女性宅を狙って侵入し、強盗婦女暴行や強制わいせつなどの罪に問われた無職、埼玉県三郷市戸ケ崎、同、無職の男(28)に対し、東京地裁(細田啓介裁判長)は14日、求刑通り無期懲役を言い渡した。
判決などによると、埼玉県三郷市戸ケ崎、同、無職の男は、東京都葛飾区水元4、無職の男(38)=1審で懲役20年=と共謀。03年8~11月、東京、埼玉、千葉、栃木の1都3県で、配電盤の点検作業員を装い、当時20~32歳の女性宅計10軒に侵入。包丁で脅すなどして5人を暴行、4人にわいせつな行為を行い、1人にけがをさせた。さらに現金など計約500万円相当を奪った。
配電盤の点検を装って1人暮らしの女性宅に相次いで侵入し、脅して現金を奪った上、乱暴したなどとして強盗強姦(ごうかん)などの罪に問われた東京都葛飾区水元4、無職の男(38)に東京地裁は2日、求刑通り懲役20年の判決を言い渡した。
判決理由で細田啓介裁判長は「共犯者と2人がかりで女性を襲い、被害を届けにくくさせるため、共犯者の強姦を容認するなど犯行は悪質卑劣極まりない」と述べた。
判決によると、東京都葛飾区水元4、無職の男は埼玉県三郷市戸ケ崎、同、無職の男(28)=分離公判中=と共謀。2003年8-11月、東京、埼玉、千葉、栃木の各都県で「配電盤の点検に来た」とうそを言って女性宅に侵入し、殴ったり包丁で脅したりして金品を奪ったほか、乱暴し裸の写真を撮るなどした。