2003年6月18日
東京地裁は16日、宅配便業者を装って3都県で12人の女性に乱暴したとして強盗強姦や逮捕監禁の罪に問われた運送業の男(31)に求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
判決理由で小川正持裁判長は、「宅配業者の知識を悪用、粘着テープや荷物を用意した上での犯行で計画的で巧妙だ」と述べた。
判決によると、被告は02年10月に東京都大田区で宅配便業者を装い、応対に出た女性を「騒いだら殺すぞ」などと脅迫。粘着テープで縛って乱暴し現金を奪った。同年11月にも千葉県浦安市で同様の手口で女性に乱暴するなど02年8月~03年2月にかけて東京、千葉、埼玉で計12人の女性から現金を奪ったり乱暴したりした。
宅配便を装い東京都、埼玉、千葉両県で未遂を含め女性十二人に暴行したとして、強盗強姦(ごうかん)などの罪に問われた運送業の男(三一)に対する論告求刑公判が八日、東京地裁(小川正持裁判長)であり、検察側は「獣にも似た犯罪傾向は矯正不可能」として、同罪の最高刑の無期懲役を求刑した。
論告で検察側は「一人暮らしを確認し、伝票を張った段ボールを用意するなど周到で凶悪」と指摘。
「女性を性欲解消の道具にし、多大な苦痛を与えた」と述べた。
弁護側は「余罪も自白し、反省している」と有期刑を求め、被告は最終意見陳述で「一生かけて償う」と述べた。判決は十一月十九日。
起訴状によると、被告は平成十四年十月、東京都大田区の三十歳の女性宅に宅配便の配達を装って侵入。
「騒いだら殺す」と脅し、粘着テープで手足を縛って暴行した上、現金やクレジットカードを奪った。
また、埼玉県川口市で通行中の二十四歳の女性をワンボックスカーに押し込んで暴行するなど
同年八月から昨年二月の間、十二人を襲った。