2009年8月6日
道を尋ねるふりをして通行人の女性を呼び止め、睡眠薬入りの飲料を飲ませ暴行したとして、大阪府警捜査1課と西堺署は6日、強姦致傷の疑いで、堺市南区原山台、自称不動産仲介業、容疑者(41)を逮捕した。府警によると、容疑者は睡眠薬入りの飲料を飲ませたことは認めているが、暴行については「覚えていない」と容疑を否認しているという。
今年2月から、堺や岸和田、高石市内など府南部で10代から20代の女性が同様の手口で暴行される事件がほかに8件発生しており、府警が関連を調べている。
逮捕容疑は、1日午後11時15分ごろ、堺市西区津久野町の路上で、通行人の20代の女性に睡眠薬入りのジュースを飲ませて昏睡させたうえ、暴行して軽傷を負わせたとしている。
府警によると、容疑者は「道を教えて」と女性を呼び止め、近くの自動販売機で買ったジュースを渡していた。女性に「地図を書いて」と頼み、飲みかけのジュースを代わりに持っている間に、粉末状の睡眠薬を混ぜたという。
5日深夜、堺市西区のJR津久野駅付近で、別の強姦事件の現場付近の防犯カメラに写っていた車と同じ車があるのを捜査員が発見。乗っていた容疑者を任意同行し事情を聴いていた。
道を聞くふりをして声を掛けた女性に薬物入りのジュースを飲ませ、暴行したとして、大阪府警捜査1課と西堺署は6日、強姦致傷の疑いで、堺市南区原山台の自称不動産仲介業の容疑者(41)を逮捕した。1日午後11時15分ごろ、堺市西区の路上で帰宅途中の20代の女性に睡眠導入剤とみられる薬物を入れたジュースを飲ませて暴行し、けがをさせた疑い。「覚えていない」と容疑を否認している。
道を聞くふりをして声をかけた女性に睡眠導入剤入りのジュースを飲ませ、暴行したなどとして、大阪府警捜査1課などは10日、住所不定、無職、容疑者(42)=別のわいせつ略取罪などで起訴=を強盗強姦容疑などで再逮捕した。
逮捕は13回目となり、被害者は10~20代の女性ら計15人にのぼる。
逮捕容疑は2009年7月、堺市の路上を歩いていた20代の女子大学生に、ビルの場所を尋ねるふりをして声をかけ、睡眠導入剤を混ぜた缶ジュースを飲ませ、昏睡(こんすい)状態にして車に乗せたうえ、金品を取る目的で大学生の自宅に侵入し、暴行した疑い。
容疑者はこれまでの調べに「欲求不満を解消するためにやった。借金も抱えていた」などと供述しているという。
大阪府南部などで昨年2~8月、道を尋ねるふりをして女性に近づき睡眠導入剤入りの ジュースを飲ませて性的暴行を繰り返したとして、強盗強姦(ごうかん)罪などで起訴された 無職の被告(42)を、府警捜査1課は近く、新たに2人への強盗強姦、 強姦未遂の容疑などで逮捕する。 逮捕は13回目、被害者は15人になる。
「心身ともにぼろぼろにされた。 当たり前の日常を返して」。
親切心を逆手に取られた被害女性の一人が、読売新聞の 取材に応じ、自らの体験と苦しみを語った。 昨夏。歩いて帰宅中、車の男に呼び止められた。
「道を教えて。娘に迎えを頼まれたんです」。
道順を教えたが、「地図を描いて」と頼まれ、断れなかった。
「お礼に」と差し出された 缶ジュース。
しばらくして意識が遠のいた。
翌朝、自宅ベッドで目覚めた。
家族に聞くと、未明に自力で帰ってきたらしい。
体に残る違和感。
尿から睡眠導入剤の成分が検出された。
「何かされた」。
路上で 地図を描くわずかな間、男が缶を預かった。
あの時、薬を入れられたのだ。
たばこを吸う男の姿、眼前に迫る顔。
車内で泣き叫ぶ自分――。間もなく、 断片的なシーンが頭に次々と浮かぶようになり、夢でうなされた。
「違う、現実だ」。 突き落とされた。
道を尋ねるふりなどをして、女性計13人に薬物入りのジュースを飲ませて暴行したとして、わいせつ略取誘拐や強盗強姦罪などに問われた無職、被告(43)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁堺支部は24日、求刑通り無期懲役を言い渡した。
石川恭司裁判長は判決理由で「女性の親切心につけ込んでおり、卑劣かつ狡猾で、地域社会に与えた影響も大きい」と述べた。薬物に関する知識もないのに適当に調合しており「非常に危険」とも指摘した。
被告は金を奪う目的だったとされる点については否認していたが、判決は13件がすべて金目当てだったと認めた。
判決によると被告は2009年2月~8月上旬、大阪市や堺市などの路上で、通行中の女性に睡眠導入剤などを入れたジュースを飲ませて車に乗せ、現金を盗み、暴行するなどした。